石玉石材は、岐阜県多治見市を拠点に、お墓づくりをされている1905年創業の石材店です。今年社長に就任した水野社長は、今年で33歳ですが、110年の歴史を受け継いだ「信用」や堅実に会社経営を担う「愚直さ」がとても印象的です。
同社は、墓石販売・施工・メンテナンスが主業で、昭和50年以降、お墓つくりのニーズが高まった時代に売上がピークに。中国からの石材直輸入によるローコスト化や、市内で唯一の指定業者ということもあり会社は大きく成長しました。
しかし時代とともに墓じまいの需要が高まるにつれ業績は下降をたどり、水野さんが入社した時には赤字体質から抜け出せない状況に。危機的な状況下であっても、石玉石材の改革はとにかく着実です。
まずは、決算書をもとにした経営体質の改善を行い、目標件数や目標売上をたてる。そして社長自ら飛び込み営業や講演会を開き、人脈拡大にも努めました。また墓石工事以外の石工事案件の開拓にも目を向け、社寺建築を行う会社への営業活動も強化しました。
時に心が折れかけたこともあったとのことですが、地道な営業活動が実を結び、赤字から脱却し経常利益・自己資本率ともに大幅な改善につながりました。
前社長のお父様は、真面目に仕事に向き合い、無駄遣いをせず堅実に、人縁を大切にしてきたそうです。その姿勢を引き継ぐ恵介さんからは、「奇をてらった施策よりも、経営の原点や当たり前にやるべきことに愚直に取り組むことの大切さ」を感じることができた勉強会となりました。