桜井氏は、1808年創業 桜井甘精堂で9代目を務め、現在は小布施町の町長を務められています。小布施町には、栗菓子店が7店舗あり、そのうち5店舗は100年以上続く老舗企業が存続しています。その理由を「各店、握手しながら足を踏み合う良い関係が築けているから」と語りました。
各店の経営は明確に立ち位置が分かれています。他店では、短時間で満足できる団体客向けの食事や日持ちのする土産物に特化しています。一方桜井甘精堂は、地元のお客様に支持され何度も来てもらえようにメニューの選択肢を増やしています。また土産物は、和と洋を豊富に提供するなどの棲み分けを図っています。
「ライバル企業の真似もするし半面教師にもする。ただ価格競争はしない。」が桜井甘精堂の方針。他社の良さを取り入れつつ、栗の風味を大切にするといった「菓子作りのコンセプト」を明確にして商品づくりを続けておられます。こういった各店の個性や魅力が街全体の魅力となり、観光客のリピート率の高さにつながっています。
今回の勉強会では、「地域が潤わないと自分の商売も繁盛しない」という考え方を地域企業がそれぞれ共通認識すること。また各社共存しながら街の魅力を高めることで、自社の発展・成長につながることを学ぶことができました。