日本酒の「蓬莱泉」で有名な関谷醸造株式会社。(1864年創業 本社 愛知県北設楽郡) 国内の日本酒消費量が年々減少している中、同社の事業は「製造業からサービス業」へシフトし、顧客体験の創出を軸に展開しています。
その内の一つが、フルオーダーできるお酒です。価格競争を避け、付加価値を高めるために、米、微生物の種類、製法から度数、瓶、ラベルなどをカスタマイズできる商品を開発。使用するお米は自家栽培です。
利益が高くない農業に進出したのは、農家のなり手不足解消と、原料の生産から製品の販売まで一貫して手掛けたいとの考えからだそうです。
関谷社長は、「当社の競合は酒業ではなくエンタメ業界。当社からお酒の魅力を伝え、お客様はそれを体験し、本当に楽しんでいただきたい」と話します。
同社は飲食店も経営しており、麹を使った料理やスイーツ、器も含めた楽しみ方を提供しています。
学者のセオドア・レビットが呈した、「顧客はドリルではなく、ドリルの穴を求めている」
といったように、「マーケティング近視眼」に陥らないこと。今回は、関谷酒造のように、従来の業種にとらわれることなく、資源を活かして業種を拡大する発想について、学んだ勉強会となりました。