大前醤油本店は、1921年に芸北醤油醸造所として創業。以降醤油やドレッシングの製造販売を続け、1999年には、同社の醤油が農林水産大臣賞を受賞。地元メディアや日経MJなどでも紹介されています。
4年前より社長を務める浩介さんの戦略は「リブランディングと販路の拡大」。パッケージを一新し「刺身用」「豆腐用」「卵かけご飯用」など用途別にブランディングを行いました。またラインナップの拡大で販売した100mlの小さい容器が予想外にもヒットし、現在の主力商品に。トマト、レモン、ゆずなどをポン酢に加工し、醤油からカテゴリを拡大した商品も人気を集めています。
元来地域に根付いた醤油屋は、お客さまの蔵を訪問して、消費した分を勝手に補充するスタイル。しかし従来のビジネスモデルでは会社の存続は難しく、鉄道駅や道の駅へ販路を拡大しました。宮島での販路開拓先では、偶然にも同級生が社長をしており、地元での人脈をビジネスに活かしました。地元の商工会や観光協会などの理事も務められ、経済活動以外にも地元との連携を密にとりながら、地域に根差した経営をされている大前社長。
ご自身は人前に出ることが苦手とのことですが、周囲の助言を誠実に受け止め、確実に行動に移す大前社長の言動が、会社の事業からも見受けられます。