銀座いせよしの5代目・千谷美恵氏にご登壇いただきました。
美恵氏は海外留学を経験され、外資系金融機関であるシティバンクに勤務さていらっしゃったそうです。銀座支店の支店長まで務められましたが、そこでのキャリアよりも、何かのプロフェッショナルを目指したいとの想いから家業を継ぐ決意をされたとのこと。
ご両親は自由な教育をされ、継ぐようにとはいっさいおっしゃられなかったそうです。
それがかえって家業に向かうことに繋がったのでは、と振り返られていました。
また日本の良さを伝えなければいけないという使命感と、店を切り盛りされていた祖母の影響を受けられ、着物だけでなく様々な日本文化の伝承に取り組まれています。
その一つは、色々なお稽古ごとのお師匠さんをお招きした「和講座」の開講でした。
また印象的であったのは、1分で自分で着られる銀座着物の開発です。着付けを習わなくても簡単に着られて、着崩れしない仕立て方を自身で見出されたのです。
仕立てに時間がかからないことや気軽さから、日本はもとより、海外の観光客にも喜ばれるのではないかと思いました。
最後に和服を通じていま伝えたいこととして、「和服には目に見えない氣・エネルギー・想いが込められている」とのメッセージが。その言葉からは日本を愛し、着物を愛する美恵氏の想いを強く感じました。
銀座という地に、このように良き日本文化を継承されるお店があること、それを様々な努力で守り続ける経営者がいらっしゃることに、日本人としての誇りを感じた勉強会となりました。