国の重要無形文化財にも指定されている、「常磐津節」の発展に力を注がれている文字兵衛氏。約20名の参加者が、伝統芸能の継承の視点から事業継承について考えました。
まずお話を伺ったのは、三味線奏者の先代の歴史から。江戸時代から日本の文化を支えてきた三味線と日本の音楽についてです。
その歴史から日本の伝統がいかに日本人の心に根付き、経済に活気をもたらしてきたのか理解が深まりました。
その中で、家業を承継するとについて文字兵衛氏はこのように語られました。
幼少期に行われた承継教育と青年期以降の家業の捉え方がポイントであった、と。
幼少期には気軽に芸に触れさせる承継教育があり、青年期にはその希少性や価値・専門性に気がつき、徐々に承継へと気持ちを固めていかれたとの事。
これは歌舞伎界でも同じ事が行われているようで、芸に親しむとご褒美がもらえるなどの
教育であったそうです。
経営の承継と同様に、実際の事業承継は決して強制的なものではありませんでした。
ここに承継についての共通点があり、継承者の自発的な意思が重要であるという所以がありました。
このように今回は、伝統芸能の承継という特殊な視点から、事業承継について考察できた勉強会となりました。